「おやつ食べる?」
この一言を聞いて、しっぽをぶんぶん振りながら駆け寄ってくるワンコは本当にかわいいものですよね。
キッチンでもどこでも、袋を開ける「カサッ」という音だけで飛んできたりしませんか?
「何食べるの?」
という感じで、じっと飼い主さんの顔を見つめていたり。
あんまりに見つめてくるから、「そんなに期待した目で見ないでよ」といいながら、ついついもう一つおやつをあげちゃう…。
そんな経験がある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

おやつはワンコとの暮らしを楽しく豊かにしてくれる存在ですよね。
しつけのご褒美にもなりますし!
でも実は、その「もう一口」が積み重なることで、ワンコの健康に大きな影響を与えてしまうことがあります。
今回は、ワンコとおやつの上手な付き合い方について焦点を当てて、考えてみたいと思います!

犬にとっておやつは「食事」ではない

私たち人間には「三時のおやつ」という習慣がありますよね。
子どもの頃、学校から「おやつは何かな?」なんて考えながら帰ったことを思い出す人もいるでしょう。
お友達が遊びに来て、家の人におやつを出してもらい、みんなで楽しく食べた、なんていう方もたくさんいらっしゃるでしょう。
大人になってからも、職場でおやつを食べている方、いらっしゃいますよね。
でもワンコにとってのおやつは、少し意味が違います。

ワンコが健康に生きていくために必要な栄養は、基本的には総合栄養食のドッグフードで十分に摂ることができます。
つまり、ワンコにとっておやつは「必要不可欠な食事」ではありません。
人間も食事から必要な栄養素は取れていますから、ワンコにとってのおやつは人間でいうケーキやポテトチップスのような「楽しみ」というわけなのですね。
もちろん日々の生活に楽しみがあるのは、良いことではあります!

ただ、楽しみの量が多くなってしまえば、健康を崩してしまうのは、人も犬も同じなんです。
飼い主さんの中には、「そんなにたくさんおやつはあげてないですよ!」という方もたくさんいらっしゃいます。
けれど実は、「少しだけ」が意外と多かったりするのです。

午前中にジャーキーを一本、お昼に留守番のお礼としてビスケットを二枚、夕方のお散歩後にガム、晩御飯の時に家族みんなが一口ずつ何かをあげてしまう。
飼い主さんは「少しずつ」のつもりでも、一日を合計するとかなりの量になっていることがよくあるのです!
しかもご家族が多い家庭では、「お父さんがもうあげた。」、「お母さんもあげてた。」、「子どももこっそりあげていた。」なんてことも。

ワンコはもちろん、「さっき食べました」と自己申告するハズもなく、どの人にも初めておやつをもらうような顔をして見つめてくるのです!
そのため、飼い主さんはたまには心を鬼にして与えないことが大切なんですね。

犬は食べることが大好き

ワンコは本来、とても食欲旺盛な動物です。
もちろん個体差はありますが、「お腹いっぱいだからもういらない」というワンコはそれほど多くはないでしょう。
満腹でも、おいしいものがあれば食べてしまう子はたくさんいるのです。

これは決して食いしん坊だからではなく、野生時代の名残とも考えられています。
犬の祖先はオオカミで、昔の野生での暮らしでは獲物をいつでも手に入れられるわけではなかったのです。
そのため、食べられるときにできる限り食べておく必要があったのですね。

今の時代、人間に飼われているワンコは、この「食べられるときに食べる」という本能は必要ではありませんが、食べられる時に食べておくことが生き延びるために重要だったため、本能として残ってしまっているわけです。
体重が増えすぎてしまうとワンコの健康には悪影響。
飼い主さんがブレーキ役になることも大切なのです。

ワンコの肥満は万病のもと

人間でも肥満は健康に悪影響を及ぼしますが、それは犬も同じです。
体重が増えすぎることで、

・関節への負担
・腰への負担
・心臓への負担
・糖尿病
・呼吸器への影響
・麻酔リスクの上昇

など、さまざまな病気につながる可能性が上がってしまうのです。

特に小型犬は、たった500グラム増えただけでも、人間に換算するとかなりの体重増加に相当してしまうのが見逃せない事実。
「少しぽっちゃりしているくらいがかわいい。」なんて、思ってしまいますよね。
でもワンコは、自分でダイエットを決意することはできません。
健康管理はすべて飼い主さんに委ねられているのです。
だからこそ、「かわいい」くても「健康」を第一に考えなくてはなりません。

おやつは一日の摂取カロリーの10%以内が目安

獣医師さんによると、ワンコのおやつは一日に必要な総カロリーの約10%以内が目安とされているとのこと。
例えば小型犬なら、おやつがたった数粒でも十分な場合があります。
「え、これだけ?」と思うくらい少ない量でしょう。
最近では、一粒を半分に割って工夫して使う飼い主さんも増えているようですよ。

ワンコにとっては「量」よりも「もらえた」という体験の方が重要だったりしますからね!
一粒を四回にも分ければ、犬にとっては四回も幸せな時間が増えるわけです。
かわいそうに思ってしまう量かもしれませんが、ワンコ自身は満足していたりするんです。
おやつの適量については、もう少し詳しく解説していきますね!

おやつ以外のご褒美も考えましょう

ついつい一番うれしそうに寄ってくるので、ワンコへのご褒美といえば「おやつ」と思ってしまう飼い主さんがいるようです。
けれどよく考えてみるt、ワンコへのご褒美は、おやつ以外にもたくさんあるのです。

優しく声をかける。
たくさん褒めてあげる。
頭をなでる。
一緒に楽しく遊ぶ。
散歩を少し長くする。
好きなおもちゃで遊んであげる。

ワンコには、こういうこともご褒美になるのです。
特に飼い主さんとの時間を何より大切にしているワンコたちにとっては、「一緒に遊ぶこと」が最高のご褒美になることもあります。
ご褒美の選択肢が増えれば、おやつに頼りすぎることも少なくなるので、ぜひ試してみてくださいね。

シニア犬は特におやつ太り注意

人間もそうですが、年齢を重ねると活動量・運動量が減ります。
若い頃と同じ量のおやつを与えていると、どうしても太りやすくなってしまいます。
さらに腎臓病や心臓病、膵炎などの持病がある犬では、おやつの内容そのものを見直す必要が出てくることもあります。

「今まで大丈夫だったから。」ではなく、ワンコの年齢や体調に合わせておやつの内容を変えていくことが大切です。
犬も年齢によって、必要な栄養は変化していきます。
人間が年齢とともに食生活を見直すように、ワンコたちにもその時々に合った食事がありますので、ぜひ心がけてあげてください。

「愛情=おやつ」ではない!ワンコの健康のためにできること

私たち飼い主が、テレビを見ながらソファーに座りおやつを食べていると、ワンコは寄ってきますよね。
ご飯を食べるときも、自分のご飯があるのに人間の食べているものを食べたがる子もたくさんいるでしょう。

そしてワンコがあの目で見つめてくると、どうしても何かあげたくなってしまうものですよね。
しかもあげると、めちゃくちゃ嬉しそうにする。
そんな姿が見たくて、ついつい与えてしまうのですよね。
「こんなに喜んでくれるなら。」
「今日は留守番を頑張ったから。」ちょっとだけ特別に。
今日は病院を頑張って「かわいそうだから。」、ご褒美におやつ。
そんな気持ちになるのは自然なことです。

でもワンコにとって実は本当にうれしいのは、おやつそのものよりも、飼い主との時間なのかもしれません。

一緒に散歩へ行くこと。
一緒に遊んでもらうこと。
いい子いい子と撫でてもらうこと。
目を見て話しかけてもらうこと。
隣でのんびり過ごすこと。

ワンコは私たちが想像するよりずっと、飼い主さんと一緒にいることそのものを幸せだと感じてくれているそうです。
だからこそ、愛情を伝える方法が、おやつである必要はありません。
毎日必ずおやつをあげなければならないわけではありません。
たくさん遊んだであげた日や、散歩を長めに行った日。
一緒に昼寝をした、幸せな午後。

そんな日は、おやつがなくても十分満たされているワンコもいます。
もちろん、おやつの日があってもいいのですけれどね。
でも、おやつがない日も作っておくと、体重管理もしやすくなります。

「今日はおやつの日。」
「今日は遊ぶ日。」

そんなメリハリがあってもいいかもしれませんね!

おやつの適量ってどのくらい?

先述したように、ワンコに与えるおやつの“適量”は、1日の総摂取カロリーの10%から多くても20%以内が基本とされています。
ということは、体重5kgの小型犬の場合、1日の必要カロリーは約250〜300kcalだそうなので、そのうちおやつに使えるカロリーは25〜60kcal程度となります。

8kgのワンコなら、一日に必要なカロリーは400〜480kcalなので、おやつは40〜96kcal以内。

15kgなら一日に必要なカロリーが750〜900kcalなのでおやつは75〜180kcal。

25kgの大型犬だと、一日に必要なカロリーは1250〜1500kcalなのでおやつで占めてよいカロリーは125〜300kcalとなってきます。

みなさんの愛犬の体重に合ったカロリーをチェックし、一日に与えてよい適量をぜひ知っておきましょう。

おやつの内容は?

ワンコのおやつには、いろいろな種類と特徴があります。
人間のものを与えず、ワンコ用のおやつを用途別に用意しておき、カロリーも計算して小分けにしておくと便利です。

ジャーキー系であれば、モチベーションアップに最適だそうなので、散歩中やトレーニング時に少量ずつ与えるのがお勧め。
クッキー・ボーロは、柔らかく消化しやすいので、子犬や高齢犬にもおすすめ。
手で小さくちぎって与えることができるため、しつけのご褒美などによいとのこと。
さつまいもスティックや野菜系は、肥満やカロリーが気になるワンコにぴったり。
また、嚙むことでストレス対策にもよいですね!
低カロリーでヘルシー。肥満が気になる犬や、噛むことが好きな犬に向いています 。

骨型ガムやデンタルおやつは、噛むことで歯の健康をサポートするためのものですが、すぐに食べ終わるものではないので、留守番中の暇つぶしに最適です。
ちゅ〜るタイプは、みんな大好きですよね。
嗜好性が高く、食欲が落ちているときのトッピングや栄養補完に便利です。

おやつはできれば、無添加・国産など、健康に配慮したものを選んであげたいですね。
カロリーも意識しながら、準備しておきましょう。

おわりに

いかがでしたか?
ワンコは、おやつが大好きです。
そして飼い主さんは、ワンコが喜ぶ姿を見るのが大好きですよね。
おやつは犬と人をつないでくれる、とても素敵なコミュニケーションツールだと言えます。
けれど与え過ぎてしまうと将来の健康を損ねてしまうことがあります。
「もっと食べたい。」
そう見つめられると、断るのは少し心が痛みますよね。

でも本当の愛情とは、その場の嬉しそうな顔だけを優先することではなく5年後も10年後も元気に歩き、一緒に季節を感じられる未来を守ることなのではないでしょうか?

おやつは犬にとっての小さな幸せ。
だからこそ量よりも質を、回数よりも特別感を大切にしてみてください!
「今日は頑張ったね。」
そんな一粒に、きっとワンコは幸せを感じてくれます。
そして何より犬にとって一番のおやつは大好きな飼い主と過ごす穏やかな毎日なのかもしれません。

●参照:
犬がごはんを食べすぎる理由とは?食欲旺盛の背景と正しい対策・注意点を解説

【ペット栄養士監修】犬のおやつ、どれくらいが適量?体重別早見表と犬のサイズ別おやつの大きさ・与え方


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