暑い暑い夏もやっと終わりを迎え、気持ちの良い涼しい風が吹いてくると
「ああ~、秋がやってきた」と思いますよね。
そして秋が始まると、なぜか食べ物もおいしく感じてしまうのです。
暑さが苦手なワンちゃんたちも、夏はガクッと食欲が落ちて飼い主さんたちを心配させていたかもしれませんが、秋になると急に元の食いしん坊ワンちゃんたちが戻ってきます。
食欲が戻って安心ということもあり、ついつい一緒に美味しい秋を楽しみたくなりますが、人間同様、体重増加にも注意が必要です。
そこで今回は、食欲の秋をどう乗り切るのか、美味しい秋ご飯とセットでご紹介しちゃいます。
目次
体重注意が必要な子ってどんな子?
秋になり食欲が戻ってくると、体重管理にも気を配る必要がでてきます。
一時的な体重増加ではなく、「肥満」になってしまうと、いろいろな病気のリスクが上がってしまうため、良いことはありません。
太っているワンちゃんって、かわいいのですけれどね!
秋になって食欲倍増しても、しっかり散歩で体を動かしてあげられていれば、そこまで心配する必要もないかもしれませんが、肥満になりやすい傾向の子というのがあるようですので、ここで一緒に見ておきましょう。
<太りやすい状態の子はこんなワンコだ!>
① 避妊去勢をしたワンコ
去勢・避妊手術をしたワンちゃんは、太りやすくなるという話を聞いたことはありませんか?
去勢・避妊手術をしたワンちゃんが全員太るというわけではないのですが、今までと同じ生活をしていると太ってしまうということは多々あるそうです。
それはなぜなのでしょうか?
実は去勢・避妊手術をすると、ワンちゃんの繁殖に必要な性ホルモンが少なくなるため、体の代謝が下がってしまうのだそう。
それはどういうことかというと、1日に必要な摂取カロリーが、避妊去勢する前の80%くらいになるのだそうです。
なので、いつもの生活をしていると、20%ほどカロリーオーバーになって太ってしまうのだとか。
② 運動が嫌いな子/散歩量が少ない子
例えば飼い主さんが多忙すぎて、散歩時間を十分に確保できなかったり、もともと運動が嫌いな子はやはり肥満になりやすい傾向があります。
飼い主さんのお仕事などもあるでしょうが、できるだけ体を動かす時間を確保するようにしてあげましょう!
③ 人間の食べ物を食べてしまっている子
飼い主さんが美味しそうなものを食べていると、いいなあとワンちゃんが眺めていたりしますよね。
その顔に負けて、人間の食べ物を自分たちが何か食べるたびに一口与えてしまっていると、その一口が肥満への道になってしまうことも!
美味しいものをシェアしたくなる気持ちは、グッと我慢しましょう。
④ 太りやすい犬種だった!
もともと太りやすい犬種の子がいるんです。
例えば、パグやジャック・ラッセル・テリアは、もともと食べることが大好きな食いしん坊で、運動量以上に食べてしまう傾向があるのだそう。
甲状腺関連の病気になって太りやすくなる傾向がある子は、ビーグルやミニチュア・ダックスだそう。
また、ポメラニアンも副腎皮質ホルモンが多めに出る傾向があり、食欲が出てしまうそうです。
こういった犬種の子を飼っている飼い主さんは、気を付けてあげたいですね。
ワンちゃんが肥満になると、どんな病気になるの?
肥満は体に悪いことはご存じの方も多いかと思いますが、実際にワンちゃんが肥満になってしまうと、どのような病気になってしまうのでしょうか?
肥満がなぜ体に悪いのかといえば、太ってしまうと、体のいろいろな部分に絶えず炎症が起きてしまうからだそうです。
この「炎症」が曲者なんです。
炎症が免疫機能やホルモンに影響を及ぼし、重篤な病気を引き起こすそうですよ!
重篤な病気は重ければ重いほど治療が長期にわたるため治療費も嵩みますし、ワンちゃんは痛みのせいでストレスが溜まり、攻撃的になってしまったり、飼い主さんとワンちゃんの生活を一変させてしまうこともあります。
肥満により引き起こされるといわれている病気の代表例を、いくつか知っておきましょう。
関節炎
肥満になると、関節に負担がかかりますよね。
そのせいで、ワンちゃんが関節炎になってしまうこともあります。
症状としては、足を引きずったり、立ち上がるのに時間がかかるように。
また、散歩も嫌がるようになりますし、歩くのが遅くなったり、遊ばなくなったり、階段なども嫌がるようになります。
足を触ると、痛がるような様子が見られることもよくあるそうです。
足の痛みのせいで、遊べないし散歩もいけないなど、ワンちゃんの生活の質が下がってしまうのが、関節炎の怖いところですね。
心臓病
肥満になると、ワンちゃんの体は多くの血液量を必要とするため、心臓に負担がかかってしまうそうです。
そうすると、心臓が肥大し、僧帽弁閉鎖不全症や肺動脈狭窄症、動脈管開存症、心筋症などさまざまな心疾患のリスクが上がってしまいます。
糖尿病
肥満といえば、人間同様に糖尿病のリスクが上がります。
オヤツの与えすぎ、カロリー過多に気を付けて、糖尿病にだけはかからないようにしてあげたいですね。
糖尿病になってしまうと、ワンちゃんたちはごはんも決まった量、おやつも制限したりしなくてはいけなくなり、ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても負担になってしまいますからね。
尿路結石
肥満と尿路結石は、何の関連もなさそうですよね?
実は、運動などで体を動かさないと、水分摂取量が減って尿路結石になりやすくなるそうです。
そのため肥満(運動不足)の子は、尿路結石のリスクも上がるそうです。
このほかにも肥満は、命に係わる膵炎やガンに罹るリスクを上げるといわれています。
そう、「肥満」は怖いものなのです!
ワンちゃんの肥満チェックポイント
「うちのワンちゃんが太りすぎかどうか?」を判断する一つの材料は、適正体重からどのくらい太っているのかでしょう。
実は、ワンちゃんの1歳時の体重がその子の適正体重だといわれているそうです。
現在の体重と比較して、太ってしまっていませんか?
また、ワンちゃんの体を上から見たとき、ちゃんとくびれがありますか?
さらに、肋骨に触れるかなども、簡単な肥満チェックになるそうです。
秋に太りすぎないようにできることとは?
美味しいものを満喫したい秋ですが、ワンちゃんが太りすぎることのないように、気を付けるポイントだけは押さえて楽しみましょう。
カロリーコントロール
体重増加の原因は、大抵飼い主さんが美味しいものを与えすぎのことがほとんどだそうです。
美味しいものを食べていると、ついおすそ分けしたくなっちゃうんですよね!
けれど、そこはグッと我慢。
美味しいおやつも、カロリーが低めのものをワンちゃん用に取り分けてあげてください。
美味しいものをたくさん食べられても、その後病気になってしまっては、なにも楽しめなくなってしまいますからね。
カロリー消費&腸活!
人間も運動と腸活は大切ですよね。
ワンちゃんたちにとっても、運動と腸活は大切なのです!
食事や睡眠など、生活リズムを整えるとともに、運動をすることで腸内環境を整えることができるそうですよ。
お腹の中で悪玉菌が優勢になっていると、太りやすくなってしまうのだとか。
そのため、毎日散歩をするなど適度な運動は、腸内細菌のバランスを整えてくれるのでお勧めなんです。
とはいえ、実は秋太り予防にダイエット食に切り替える必要はないようなのです。
なぜなら、冬に向かって動物は秋に太りやすくなるから!
ワンちゃんの体に良い食事を与え、適度な運動をしていれば、多少太ってもそれは仕方のないことなのですね。
実は食べすぎじゃなかった!激太りしてしまう疾患とは?
食べる量も散歩量も減っていないのに、なぜか体重だけ増加し続ける、また体重とともに他に何か気になる症状が出ている…そんな飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
大抵ワンちゃんの肥満は、飼い主さんの食べ物の与えすぎが原因なのですが、甲状腺関連の病気(甲状腺機能低下症)やクッシング症候群など、病気が隠れていることも!
こういった病気を発症すると、代謝が下がってしまい太りやすくなるそうです。
そのほかにも肝臓疾患や循環器系の疾患、消化器系の疾患が隠れていることもあります。
このような場合は、体重増加の経緯や食事内容、オヤツのメモをしておき、病院受診を検討しましょう。
何か疑いがある場合は、血液検査や超音波、レントゲン検査などの流れになります。
動物病院を受診した際は、どういった経緯で体重が増加していったか、食事やおやつの内容を含めて詳しく問診をおこない、疾患の疑いがありそうな場合は血液検査を実施します。その上で、必要がある場合にはレントゲンや腹部超音波を実施し、上記疾患を診断していきます。
何の疾患もなく、食べさせているつもりはなかったけれど飼い主さんが食べさせすぎだった場合は、お医者さんより食事の指導やダイエット食への切り替えなどが提案されるかと思います。
副腎皮質機能低下症(クッシング症候群)などであれば、副腎皮質ステロイドホルモンを抑える薬で治療、甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの補充をする治療になるそうです。
ヘルシー秋ご飯レシピ!食べてもらいたいのはコレだ
体重に気を付けつつも、やはり秋の旬をワンちゃんご飯にも取り入れてあげたいですよね!
ということで、これは食べさせてあげたいというレシピを厳選し、ご紹介しちゃいます。
★秋のつみれご飯★
材料:(2食分)
① 鶏ひき肉100gくらい
② キノコ類(しめじ、シイタケなど)15gくらい *シイタケ嫌いな子はマイタケでもエリンギでもOK
③ 人参10gくらい
④ さつまいも30gくらい
⑤ 白菜15gくらい
⑥ 鰹節 少々
⑦ 味噌 小さじ1程度
⑧ ごま油 小さじ半分程度
⑨ 白いご飯(飼い主さんからの取り分け) 35-40g
⑩ 片栗粉 小さじ1
⑪ 溶き卵 1個
<作り方>
1 白菜は食べやすいように粗みじん切りしましょう。
2 きのこ類は生のままミキサーやブレンダーでペースト状にしましょう。
3 ニンジン、サツマイモは小さい角切りにしましょう。なるべく小さく!
4 鶏ひき肉、きのこ類、ごま油、片栗粉を入れて小さいツミレを作っていきます。
5 鍋に水を入れ、ニンジン、サツマイモ、白菜、つみれを入れて沸騰させましょう。
6 鍋が沸騰したら、弱火で煮込みニンジンとサツマイモが柔らかくなるまで煮込んでいきます。
7 最後、味噌をくわえ、溶き卵を入れましょう。
卵を入れる前にご飯を入れて雑炊風にするのもよいのですが、2食分だとお米が水を吸ってしまうのでお米とは分けています。
8 白米をフードを入れるボウルに入れて、スープを注ぎ、冷ましてから与えてください!
*白米ではなくドッグフードを入れる場合は、味噌は塩分過多になってしまうので入れないでくださいね。
★さつまいもボーロ★
美味しいサツマイモが手に入ったら、ぜひワンちゃんにもオヤツでおすそ分けしてあげてくださいね。
材料:
① さつまいも 1本(大きさは150g-200g程度)
② 小麦粉 大さじ2程度
③ 犬用ミルク 大さじ
<作り方>
1. サツマイモはレンジで4分チンしてください。(600wの場合。500wの場合は竹串が通る柔らかさまで柔らかくしましょう)
2. サツマイモが冷めたら、皮をむいてマッシュポテトのようにしていきます。
3. ボウルにサツマイモのマッシュ、小麦粉と犬用ミルクを入れて混ぜ、耳たぶくらいの柔らかさになるまで練りましょう。
4. オーブンを220℃に熱し、20分弱程度焼いたら完成です!
無添加のオヤツは安心ですよね。
秋の体重管理まとめ
いかがでしたか!
秋になると、過ごしやすい日がやってくるため、ワンちゃんも人間も食欲が増してしまいますよね。
良いことではあるのですが、肥満にだけは気を付けたい!
適度な運動(散歩)とヘルシーな秋ご飯で、秋を満喫しながらも体重管理には気を付けたいものです。
また、体重増加の裏に病気が隠れていることも、念のため頭の片隅に置いておくとよいですね。
●参照
・食欲の秋!太りすぎに注意!
・食欲の秋は犬も肥満に要注意!「健康寿命」に与える肥満のリスク
・【獣医師執筆】食欲の秋で食べすぎた…?急な体重増加に隠れている疾患とは