犬と穀物の関係

穀物は犬の体に悪い?

穀物不使用のドッグフードが流行りはじめた頃から、現在までの穀物使用のドッグフードは良くないということをよく耳にするようになりました。

しかし、穀物を使っているからそのドッグフードは粗悪品かと言うと、そういうわけではありません。

そもそも穀物は自然由来の食物であり、犬にとっても必要な栄養素が含まれています。

大型犬や狩猟犬は筋肉を効率よくつくるために、その元となるタンパク質を豊富に含む生肉メインのフードが好ましいです。

しかし一方で狩猟犬などとは違い、それほど強度な運動を必要としない室内犬や小型犬の場合であれば、穀物を使ったドッグフードを与えても問題はありません。

むしろ栄養価の高い良質な穀物を使ったドッグフードであれば、体に良いとさえいえます。

もともとオオカミだったころも生肉だけではなく草食動物の胃や腸に残った野菜や穀物も食べて生肉だけでは不足する栄養を効率よく吸収していました。

この事実からも犬にとって穀物は不要なものではなく、大切な栄養素を含んだものだといえるでしょう。

犬と穀物の問題

穀物のある成分が栄養素の吸収を邪魔する?

穀物は犬にとっても大切な栄養素の一つであることは間違いありませんが、穀物を食べることで起こりうる問題もあります。

穀物の中でも発芽玄米に含まれるフィチン酸がカルシウムやマグネシウムなどのミネラルと結合すると吸収阻害を起こし体に必要なミネラルを十分に吸収できなくなります。

フィチン酸は大量に摂取しなければデトックス作用や免疫活性作用があり体にとって有益な成分です。

しかし、大量に摂取してしまうと有毒になってしまうという、フィチン酸に限ったことではありませんが塩分や糖分と同じで適量が大切ということです。

穀物はアレルギーの原因になる?

穀物に含まれるグルテンが、免疫器官を刺激してアレルギーや皮膚疾患を引き起こすことが指摘されています。

しかし、もしグルテンが気になるのであればグルテンを含んでいないグルテンフリーの穀物を使ったものを利用すれば何ら問題はなく穀物に含まれる炭水化物や食物繊維、鉄、ビタミン、ミネラルの他に多様なアミノ酸などの貴重な栄養素を摂りそこなうこともありません。

そのドッグフードは安心ですか?

人間は、炭水化物(デンプン質)を第一エネルギー源にしており、歯の構造や口腔内の消化液、腸の長さまで炭水化物をじっくり消化・分解する体の構造になっています。

逆に犬はデンプン質の消化は最後まで行われず、デンプン質を上手に利用することが苦手な消化機能となっています。

犬は本来、良質な脂肪とタンパク質がメインの食事をしていれば、炭水化物(デンプン質)はほぼ必要ありません。

そんな食性の犬に対して、多くの愛犬達の主食である、ドライフードや缶詰は、穀物やイモなどのデンプン質が多く使用されています。ダイエットフードや低カロリーフードの中には、主原料が穀物類である場合もあります。

犬にとってトウモロコシなどはうまく消化できない代表格ですがトウモロコシからの抽出物を原料として使っているドッグフードも多くみうけられます。

パッケージ裏などの原材料表記とは、多く含まれている原材料から順番に表記されていますのでフード選びの参考になさってください。

愛犬の健康にこだわるなら

穀物不使用(グレインフリー)フード

「穀物不使用フード」とは、米や大豆、小麦などの穀物を使用していないフードを称しており、生肉やミートミール(乾燥肉)を主原料とした肉類中心の食事のことを言います。

カロリーの高いものもありますが、エネルギー変換がスムーズなため代謝が良く肥満になりにくい食事です。

他にもアレルギーやダイエット、涙やけなどの健康トラブルがない体づくりが期待できます。

糖質不使用フード(スターチフリー)

穀物不使用(グレインフリー)フードよりさらに犬本来の食事にこだわったのが、犬に不必要とされる糖質を一切抜いたスターチフリー(糖質不使用)フードです。

一般的に穀物不使用(グレインフリー)フードには穀物類には使用されていませんが、芋や豆類などのデンプン質に糖(スターチ)が含まれています。

犬は脂肪を糖に変換できるため、本来「糖」は必要ないのです。

なので、デンプン質(糖)を含む食べ物を食べても、最後まで利用することはなく糖質過食により肥満や糖尿病、アレルギーなどの健康トラブルの要因になってしまいます。

犬や猫にとって不必要な糖質(スターチ)を一切抜いて、良質な脂肪とタンパク質を中心としたフードが一番理想な食べ物なのです。





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