酸化の危険性とは

封を開けたドライフードは徐々に酸化していきます。
これはドライフードに限らず、食べ物は空気に触れることで酸化が始ります。
酸化とは、食べ物と空気が触れ合うことで起こり、過酸化脂質に変化することを指します。
過酸化脂質とはいわゆる腐敗です。

酸化するということは、食べ物が腐るということと同じことになります。
酸化したフードを食べると嘔吐や下痢の軽い症状がある事もあるようですが、目に見えてすぐに大きな変化や病気になるということはまずないです。

ですが酸化したものを食べ続けると老化の進行を早めて、蓄積されていき小さなダメージが大きなダメージへと変わってしまいます。

免疫力の低下や老化の促進、発がん性など、酸化したフードを毎日食べ続けると、目には見えないところでジワジワとダメージが蓄積されていき、小さな身体をむしばんでいくこととなります。

ドライフードは酸化しやすい

肉をメインに作られているドライフードは、油脂が多く元々酸化しやすい食べ物です。
素材の持つ油分に加え、風味付けに使われる脂や皮膚被毛のためにプラスされる良い油も、ドライフードの酸化の原因のひとつになっています。

そして、ドライフードは毎日パッケージが開け閉めされる、空気に触れやすい食べ物です。
空気とドライフードの油脂が結び付くと酸化は始まりますので、あっという間に酸化してしまいます。

そのまま何もしなければ、すぐに酸化してしまうドライフードですので、ドライフードに酸化防止剤を使うことは決して悪いことではありません。

なので、ドライフードに安全な酸化防止剤が使われているかどうかが購入のポイントにもなってきます。

危険な酸化防止剤

それでは、酸化防止剤がきちんと入った長期保存の可能なフードは安全でしょうか?

実は防腐剤にも人工物と天然物があります。
人口の酸化防止剤は効果は長い分、身体にあまり良くない成分が入っていることがあります。
抗酸化力の強さの代わりに発がん、アレルギーや皮膚病の原因になるとアメリカでは発表されています。

特に、
【エトキシン】・・・最近は使われていることはほとんどありませんが、以前は規制のなかったペットフードに良く入っていた酸化防止剤。ゴムや殺虫剤の一部に使用されていました。人間用の食品には使用禁止となっています。

【BHA】・・・油脂の酸化防止剤として使われることがあるガソリン由来の酸化防止剤。

【BHT】・・・石油由来の酸化防止剤で、油分の多いフードに使用されると毒性を増すと言われています。

この3種類は危険性が高いと言われていますので、もしもフードパッケージに同じ文言が書かれているようでしたら、愛犬のご飯として与えるのは止めたいものです。

安全な天然成分の酸化防止剤

人工物の酸化防止剤とは違い、天然の植物から抽出されたものが多く、健康被害はほとんどありません。

【ローズマリー抽出物】・・・天然ハーブのローズマリーから抽出された酸化防止剤です。油脂の酸化や劣化を防止します。

【緑茶抽出物】・・・食品抽出された高い安全性の酸化防止剤です。静菌作用もあります。

【クエン酸】・・・酸化防止の役割を果たす栄養成分。

【トコフェロール】・・・植物の中に存在し、種子などの油脂成分の酸化を防いでくれます。ミックストコフェロール(ビタミンE)などとして使われます。

このようなものは、人の食品にも使われる天然の酸化防止剤です。
愛犬の身体への影響も少なく、安全だと言えます。

ちなみに、酸化防止剤と保存料は同じものだと思われがちですが、酸化防止剤は酸化と呼ばれる化学反応を防止するもので、保存料は有害な微生物の発生や増殖を抑えることを目的としたものですので、全く違う目的で使われています。

天然成分の落とし穴?

天然成分から作られている酸化防止剤のデメリットは、やはり人工物と比べると酸化防止効果が短い、ということになります。

人工の酸化防止剤に比べると、どうしても天然素材の酸化防止剤は短い期間しか効果は続きません。
そのため、天然の酸化防止剤を使用した物は開封後、一カ月で使い切れる量のドライフードを購入するようにしましょう。

素材にこだわったプレミアフードや国産フードほど、酸化防止剤も良いものが使われています。
せっかくの良いフードが酸化してしまう事の無いように、食べきれる大きさのものを選びましょう。

最後に

酸化は老化の原因となり発がんにもなると思うと、無添加で酸化防止剤など入っていない手作りのフードを与えたくなりますね。
けれど実際毎日栄養バランスに優れた手作り食を続けることは難しいのが現状です。

愛犬に必要な栄養素は思うよりもずっと多く、たくさんの種類の食材を使ってバランスよく配合して作らなければなりません。

栄養が偏ったり足りなかったりすると、痩せてきたり被毛がパサついてきたりと確実に影響が出てきてしまいます。

完璧なバランスの手作り食は、忙しい毎日の中では、なかなか作ってあげることもできません。

ドライフードは栄養バランスや健康維持に欠かせない成分がきちんと入っていますので、やはり愛犬の主力の食事になります。

そのため、安全で安心な素材や添加物を使ったドライフードを見つけて与えてあげたいですね。