どんな下痢なのか、症状を見極めることが大切
愛犬は家族の一員としてとても大切に思う人がほとんどだと思います。
毎日元気で健康でいてくれることが一番の願いですが、犬も人間と同じ生き物です。
時には体調を崩してしまうこともあるでしょう。
うんちは健康のバロメーターと言いますが、愛犬がするうんちも毎日しっかり観察しておくことが大切です。
元気いっぱいの時にはこんな状態という目安を頭に入れておけば、少しの変化にもすぐ気付くはずです。
若干いつもより柔らかい程度のうんちであれば、水分を多く摂取したりフードを別のものに変えたなどのそれほど心配のいらない理由が原因であったりしますが、下痢状になると少し心配になります。
小腸性と大腸性の下痢
犬の下痢の原因には様々なものがありますが、大きく分けると小腸性の下痢と大腸性の下痢があります。
小腸性下痢とはその名の通り小腸に問題がある場合に起こる下痢のことです。
腸管内に消化物が通過する時に、腸管は水分の分泌と吸収を繰り返し消化物の水分含量を一定に保つ働きをするのですが、分泌もしくは吸収のどちらか一方の機能が正常でなくなると腸管内の水分バランスが崩れてしまいます。
吸収力は正常なのに分泌量が多過ぎるという場合は「分泌性下痢」とも呼ばれ、小腸性の下痢の症状として現れます。
小腸性の下痢を疑うべき症状としては、水のようなシャバシャバとした下痢・おならを頻繁にする・お腹が膨れる・お腹が鳴る・うんちの回数と量が増える・口臭がする・よく水を飲むなどがあります。
小腸性の下痢は慢性腸炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、尿毒症、アジソン病などといった基礎疾患に随伴する形で発症したり、菌や寄生虫の感染、食物アレルギーや抗生剤の副作用によって発症することもあります。
治療には小腸への負担を減らす必要があるため、12時間の絶水と24時間の絶食、下痢が酷い時には下痢止めを処方し失った水分を補給するための輸液を行うようです。
そして原因が基礎疾患による場合は基礎疾患をしっかりと治療することが大切です。
もう一つの大腸性の下痢ですが、小腸性の下痢とは逆に分泌量は正常で吸収力が低下している場合に起こり「浸透圧性下痢」とも呼ばれます。
大腸性の下痢を疑うべき症状としては、粘液便や血便を伴う下痢・出そうとしても出ないしぶり便・うんちの回数が増える・嘔吐・お尻を痒がるなどです。
大腸性の下痢の原因にも基礎疾患が関わることがあります。
慢性腸炎や尿毒症、アジソン病などで小腸性の下痢と同じような基礎疾患が挙げられます。
また菌や寄生虫、食物アレルギーさらにストレスや暴飲暴食なども原因となり得るのです。
治療法は小腸性の場合と同じようなものになります。
どちらの場合も絶水しますが、症状が落ち着いたら少しずつ水分補給をしましょう。
長時間水分を絶ったままだと逆に脱水症状を引き起こす危険があるからです。
愛犬のお腹の調子が悪い時はどんな食べ物がいいの？
愛犬のお腹の調子が悪い時はまず1日ほど絶食し、続くようであれば脱水症状にならないように水は与えていいです。
症状が落ち着いたら消化の良いものを与えるようにします。
手作りなら脂の少ないササミや胃腸に良いキャベツや人参などの野菜を細かく切って柔らかく調理してあげてください。
ドッグフードならぬるま湯をかけて柔らかくしたり犬用の乳酸菌粉末など、お腹の調子を整えるものもありますので合わせて与えてもいいでしょう。
愛犬の様子を見ながら量を増やしたり硬さを調節して胃腸に負担をかけないよう注意します。
愛犬の辛そうな姿を見るのは飼い主さんにとっても辛いことです。
少しでも早く回復出来るように、愛犬にいつもと違う変化を感じた時には速やかに病院へ連れて行きましょう。
その時はなるべく愛犬がしたうんちを病院まで持って行き獣医さんに見てもらうことをお勧めします。
便の状態を見ることで愛犬が何の病気なのかすぐに診断できるかもしれません。
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