愛犬のアレルギーサインに気付いてあげよう

人に食物アレルギーがあるように、ワンちゃんにも食物アレルギーがあります。

そこで問題になるのが、人とワンちゃんの違いです。

人は体調が悪化すると「かゆい」とか「腫れている」や「気分が悪い」と言葉で伝えられますが、ワンちゃんは人の言葉が喋れないため、飼い主がワンちゃんの様子を見て異変に気づいてあげなければなりません。

ワンちゃんのアレルギーの代表的な症状は、体のかゆみ、脱毛、体の傷、嘔吐や下痢、膿皮症、外耳炎、発疹、発熱など他となっており、人間と似たような形で生じますが、最悪の場合はアナフィラキシーショックのように状態が急激に悪化し命にかかわることもありますので、注意深くワンちゃんの状態を観察してください。

顔周辺の異変に気付こう

まず顔の周りをチェックしましょう。

目が充血していたり、目やにが多い、頻繁に目の周りをかいているようであればアレルギーの可能性があります。

口の周りもチェックしてあげてください。

口の周りに湿疹や発疹、腫れ、唇のただれ、あるいは舌や喉に腫れがある場合もアレルギーの可能性が高いと言えるでしょう。

この他にも鼻にも注意しましょう。

具体的には、鼻水が垂れている、鼻が詰まっているため口呼吸をしている、あるいは寝ているときも口呼吸をしている、鼻の周りを前足や後ろ足で頻繁にかいている、などです。

カラダの異変に気付こう

体にもアレルギーによる影響が現れますので、定期的なトリミングのさいに肌をチェックしてあげると良いでしょう。

例えば円形脱毛症のように体毛が生えていない部分がある、季節の変わり目でもないのに体毛が抜ける、フケがでている、肌に赤みがさしているところがある、蕁麻疹や発疹のような症状がでている、前足や後ろ足で頻繁にかいたり強く掻くため傷ができている、あるいは傷を塞いだかさぶたや傷の跡があるという場合もアレルギーの可能性があります。

食後の異変に気付こう

内蔵や器官に症状が出ることもあります。

例えば、食事後の嘔吐、オエーッというような吐き気を頻繁に催す、下痢が頻繁に続く場合はアレルギーの疑いがあります。

気管支に現れることもあります。

典型的なのが咳です。
コンコンと頻繁に咳をしている、呼吸した空気が気管支を通る際に生じるゼイゼイという音(喘鳴)が聞こえる、息苦しそうにハァハァと呼吸しているときも注意しましょう。

ワンちゃんの状態を観察し似たような症状が出ていた場合は、アレルギーの可能性があるので病院で検査をうけることが大切です。

毎日の食事に注目しよう

アレルギーの症状の原因として疑われるのが、ワンちゃんのドッグフードです。

幼犬なら1日3回~5回、成犬は2回、老犬は3回~4回ほどドッグフードを与えますが、毎日摂取するのでワンちゃんの体質にあったフード選びが、アレルギーを避けるポイントになります。

フード選びのポイントは、使用されている原料です。

食物アレルギーの原因は様々ですが、大きく分けて動物性アレルギーと植物性アレルギーがあります。

動物性アレルギーは、牛肉や鶏肉、豚肉、ラム肉、魚類や卵などをつかったドッグフードを食べた場合に生じます。
また植物性アレルギーは、小麦や大豆、米や玄米、トウモロコシなど炭水化物を摂取した際に生じます。

特に動物性アレルギーの中で注意したいのが牛肉です。

意外に思われるかもしれませんが、食物アレルギーを引き起こす原因の約34%が牛肉です。

牛肉を使ったドッグフードは多く販売されていますし、顎を鍛えたり、歯垢を落とすために固めの乾燥牛肉や干し肉を与えている飼い主もおられると思いますが、これがアレルギーの原因となる場合があります。

次に原因となっているのが、乳製品です。

美味しそうに飲むからとミルクやヨーグルトを与えたり、チーズを餌に混ぜる飼い主もおられますが、これもワンちゃんにとってアレルギーとなりえます。

また鶏肉もアレルギーの原因物質です。

最近では、犬の食性を重視したドッグフードが多く販売されていますが、その多くの主原料が鶏肉になっています。
またワンちゃん用のおやつとして鶏肉を含んだフードも販売されているため、飼い主には注意して欲しい原料です。

肉食を主体とするワンちゃんだからといって必ずしも牛肉や鶏肉、乳製品が良いとは限らないため、食後や日常生活でのワンちゃんの体調や状態を観察しながら与えましょう。

そして異変を感じたらできるだけ早く病院で検査を受けてください。

病院の検査では「除去食試験」が行われています。

アレルギーを起こさないドッグフードを1ヶ月から2ヶ月与え(おやつ禁止)て症状を改善し、以前利用していたドッグフードを1週間ほど与えることで食物アレルギーの有無をチェックします。

元のドッグフードに戻して状態が悪化した場合は、食物アレルギーがあると判断できますし、そうでない場合は食物以外に何らかの原因があると考えられるので、別のアレルギー対策を講じる必要があります。

人がアレルギーに苦しむようにワンちゃんもアレルギーになるとストレスを感じます。

アレルギーの原因となり得るフード選びでは原料をチェックし、また状態に異変を感じたら速やかに病院で検査を受けることで、ワンちゃんの健康を守りましょう。