2月といえば、バレンタイン。
家の中にも、何かと「チョコレート」が増えていませんか?

チョコレート好きじゃなくても、かわいらしいラッピングに心が躍る時期でもありますよね。

家族のために用意をしておいたチョコレートや、いただきもののチョコレートなどなど、バレンタインの前後では家にあるチョコレートの量もいつもの倍以上だったりしますよね。

けれど、お家にワンコがいる場合、チョコレートには細心の注意が必要なのです。
「犬にチョコレートはダメっていうのは、虫歯になるからでしょ?」なんて思われている飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんし、「犬にチョコレートを与えると中毒になるらしいよ」といった物知りな飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

ここでは、ワンちゃんがチョコレートを食べてしまうとどうなるのか、なぜワンちゃんにとってチョコレートがNGといわれているのか、みていってみましょう。

チョコレートのどこがワンコに危険なの?

ワンちゃんにチョコレートは、なぜ危険なのでしょうか?
チョコレートはNGとは知っていても、それがなぜかご存じない飼い主さんもたくさんいらっしゃるかもしれませんね。

ワンちゃんにチョコレートがNGなわけは、チョコレートに含まれる成分のいくつかがワンちゃんにとって危険だからなのです。

その成分というのが、「テオブロミン」や「カフェイン」。
ここでは、さらに細かく「テオブロミン」についてみていってみましょう。

テオブロミンって何?

「テオブロミン」という言葉、聞いたことのある方もいらっしゃるのでは?
市販されているチョコレートの大半は、とても甘いチョコレートですが、チョコレートのカカオは苦みがありますよね。

100%のカカオパウダーなどは、苦くて舐めると顔をしかめてしまいます。

その苦み成分が「テオブロミン」なのです。
テオブロミンの人間への作用は、脳を刺激してくれるため、集中力や記憶・思考能力を高めてくれたり、やる気を出させてくれたりする効果が期待できます。

テオブロミンによる覚醒作用は、カフェインよりもマイルドで、さらに自律神経を調節してリラックスさせてくれる効果も期待できるのだとか。

ところが、ワンちゃんの場合はこれらの成分が中枢神経に作用することで、ワンちゃんが興奮状態になってしまうリスクや、呼吸器系の興奮作用、さらには心臓に作用して動悸を起こさせてしまうといったリスクを上昇させてしまうのです。

人間の場合は、チョコレートを食べたらテオブロミンを肝臓で速やかに分解していきますが、ワンコや猫はこの分解が苦手で、分解する速度はなんと人間に半分以下とされています。

テオブロミンが分解されるのに時間がかかるせいで、テオブロミンの効果が強烈に出てしまい、それが「中毒症状」として現れるわけなのです。

どのくらいの量のチョコレートを食べたらいけないの?

「うちのワンちゃんがチョコチップクッキーを食べちゃった!でも、何の症状も出ていませんよ?」
そんな飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。

チョコレートを食べたら、どんなワンちゃんでも中毒症状が出るのでしょうか?

実は、ワンちゃんによって「チョコレートとの相性」には差があるのです。

ワンちゃん全般にとってチョコレートは避けるべき危険食物ですが、ちょっとくらい食べてもなんでもないワンちゃんから、ほんの一欠けらで中毒症状が発症してしまう子まで、さまざまなのです。

また、チョコレートの種類によっても危険度は違うのです。
テオブロミンたっぷりの苦いビターチョコレートは、やはりワンちゃんにとってかなり危険!

ブラックチョコレートも、苦みを感じるので危険度は高めですね。
ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートと、テオブロミンの苦みをあまり感じないチョコレートであれば、食べてしまっても中毒症状が出にくいかもしれません。

体重が10キロのワンちゃんの場合、ホワイトチョコなら中毒症状が出る量としては 5000gといわれ、 命が助からないとされる量は 26000gとされています。

ホワイトチョコレートを2.6キロも食べることはありませんから、安全性はチョコレートの中では高いといえるでしょう。

ところが、ミルクチョコレートだと中毒が出る量としては86g、命のリスクがある量としては433gと、グッとリスクが高くなります。

ブラックチョコレートだと、中毒を起こすリスクの出る量が41g、命が助からないかもしれない量は205gと、少ない量でも危険となっています。

ブラックチョコレートの板チョコを飼い主さんが見てない間に食べてしまったら、アウトとなってしまうのです!

個体差によっては、もっと少ない量のチョコレートでも中毒症状が出てしまう場合があります。
チョコレートには近づかせない、飼い主さんが食べるときには手の届かないところに置くなど、ワンちゃんの手の届かないところに保管するのが鉄則なのです。

ワンちゃんのチョコレート中毒はどんな症状がみられるの?

ワンちゃんがチョコレートを食べてしまったら、どんなことになるのでしょうか?

死亡する確率が高い急性膵炎を発症する以外に、個体差や食べてしまった量にもよりますが、チョコレートを食べたと思われる時間から6-12時間後に、次のような症状がみられるかと思います。

・嘔吐/下痢
・脱水症状
・体温の上昇
・筋肉の硬直
・呼吸がおかしくなる
・失禁
・動悸、頻脈や心拍数の低下
・過度の興奮や神経過敏
・昏睡
・痙攣
・てんかん発作
・こん睡

また、テオブロミンの作用が体から排出されるまでは72時間以上とも言われています。
チョコレート中毒の処置後も、3日間は様子を見てあげるようにしたいですね。

ワンコに中毒症状が出たらどうすればいいの?

中毒症状が万が一出てしまった場合には、どうすればよいのでしょうか?

動物病院で胃の中のチョコレートを洗い流してしまう胃洗浄といった処置や、チョコレートを吐き出させる処置を行うため、助かる場合もあります。

もちろん、チョコレートの摂取量も多くなければ、それだけ助かる率も上がりますよね。
中毒症状が出てから様子を見守っていたりすると、例え病院でいろいろな処置を施しても助からない場合があるのです。

万が一チョコレートを食べてしまい、具合が悪そうになったら、様子を見るよりもまずは病院へ走りましょう!

バレンタイン、わんちゃんには何をあげる?

「うちのワンちゃんは男の子!だからこそ、バレンタインには何かあげたいな」そんな飼い主さんは、ぜひ手作りのワンちゃんクッキーなどを作られてみてはいかがでしょうか?

何が入っているのかも、手作りだったら安心です!
もちろん、バレンタインでもチョコレートは抜き!!

ワンちゃんが食べてもOKな食材で、おいしいおやつをあげてみてくださいね。

「手作りする時間がない!」なんて飼い主さんは、ぜひこだわりのバレンタインスイーツをワンちゃんのために探してあげてくださいね。

お肉でできたトリュフや、サツマイモを使ったスイーツなど、いろいろ揃ってますよ♪

ワンコとどう過ごす?バレンタイン当日

「ワンちゃんとはバレンタインの日もいつも通り過ごす予定」なんて寂しいことは言わずに、ぜひバレンタインの日はスペシャルな時を過ごしてみませんか?

●ワンちゃんと二人のディナー
ワンちゃんでもOKなディナーを手作りしてみませんか?
例えば、とっておきのお肉でステーキなんかもよいですよね。
いつもよりも奮発したディナーで、ワンちゃんとバレンタインをお祝いしましょう!

●バレンタインはDVD鑑賞ナイト
ワンコの出てくるDVDを借りて、ワンちゃんと一緒にDVD鑑賞なんていかがでしょうか?

ワンちゃんって、テレビに出てくるワンコにも反応したりしますからね。
飼い主さんとも一緒にいれてワンちゃんはとっても幸せ!

●バレンタイン・ドライブ
ワンちゃんを連れて、ちょっとだけ遠出をしてみるのもお勧めです。

いつも行かない公園に連れて行ってあげるなど、いつもよりちょっとだけスペシャルなお出かけにしてあげてくださいね。

●バブルバスを満喫
お風呂嫌いのワンちゃんには地獄かもしれませんが、お風呂が嫌いじゃないワンちゃんには、バブルバスのお風呂をプレゼントしてみては?

ワンちゃん用のシャンプーでやるのは、必須ですよ!

●マッサージで至福の時間をプレゼント
ワンちゃんは飼い主さんに、なでなでされるのが大好きですよね。
そんなワンちゃんに、いつもより念入りにマッサージをしてあげましょう。

あまりの気持ちよさに、よだれが垂れてしまうかも!

●ハートモチーフの首輪やリードをプレゼント
ワンちゃんへ、ハートモチーフのリードや首輪をプレゼントするのも、とってもかわいいですよ!

●バレンタインの写真撮影会を開催
バレンタインということで、ハート型のモチーフを使ってぜひともかわいらしい写真を撮ってあげたいものです。

ハートの風船や、ピンクや赤の色画用紙をハート型に切って飾るだけでグッとバレンタインらしさが増します。

終わりに

いかがでしたか?

毎年やってくるバレンタイン。
ワンちゃんと一緒にスイートな時間を過ごすのもいいですね。

映画鑑賞やディナー、ちょっと遠くへのお出かけなど、バレンタインにできる、いつもより「ちょっとだけスペシャル」な日を楽しんでください。

けれど忘れてはならないのは、2月はワンちゃんにとってはちょっと心配な月だということ。

バレンタインのおかげで、特に室内飼いのワンちゃんにとってはチョコレート中毒要注意月間となるわけです!

チョコレート中毒にならないために、チョコレートは必ずワンちゃんの手の届かないところに置くことや、万が一チョコレートを食べてしまい、様子がおかしいなと感じたらすぐに病院に行くこと。

そういったことを知っておくと、万が一にも落ち着いて対処ができるので安心です。